退院の日
昨日ケンカ別れしてるけど、何事もなかったかのように
「来たよ~」「おう」と、いつも通りのやり取り。
でもこのやり取りも今日で最後。
今日の夫は、家でよく着ていた服を着て
靴を履いて、髪も整えて。
こんなに明るい表情の夫を見るのは、本当に久しぶり。
見慣れた服を着た夫の顔は
痩せこけて変わってしまっているけど
目がパッチリ大きくなって前より男前になってるよ(≧ω≦)b
私の車と初対面
入院中の夫が義弟に頼んで、急きょ手配してもらった車。
夫は今日が、その車との初対面になる。
しかも、私が運転する車の助手席に乗るのは、25年ぶり。
それが1番、楽しみだったらしくて。
いつか、夫を助手席に乗せて
ドライブ旅行いけたらいいな。。
25年ぶりに運転した話↓↓
ここからが大変だった
いざ退院して
車椅子の夫を私の車に乗せるのが、本当に大変だった。
退院してから数十分、まだ病院の駐車場内で
すでに後悔いっぱい、不安いっぱい(TωT)
どうしても
車椅子から私の軽自動車(背が高めの軽)へ移動することができない。
車椅子から、お尻を上げることができなくて。
夫自身も、自分の足の衰え(力が入らない)にビビってしまい
私が支えようとしても、怖がって動けない。
時間が経てば、ますます夫が疲れてしまうから
看護師を呼びに行こうとするとイヤだと言う。。
怖くて立てない…
人を呼ぶのはイヤ…
「じゃぁ、どうすんの…」
出来ないのはしょうがないけど
あれもイヤ、これもイヤだと言う夫に
病人相手だとわかっていても、イラついてしまう…
それからもしばらく試行錯誤し
パンツや下着をこれでもかと引っ張って
お尻を浮かせ
やっとの思いで車に乗せることに成功し
なんとか帰路につくことができた。
この時点で2人とも、もうすでにへろへろ状態ε-(-ω-; )ハァ…
だけど
車に乗ってからは、いつも通っていた道を懐かしそうに
そして
久しぶりに見る外の景色を嬉しそうに
私の運転を楽しそうに見ている夫の姿を見て
退院を決めて良かったなって、初めて思えた。
この日は天気も良くて
自宅近くの桜並木もちょうど満開で。
24年間、当たり前に見続けたこの景色を
今年もまた一緒に見ることができた。。
私たちの目の前で、桜吹雪が舞い落ちて、幻想的な風景…
こんなにキレイで、切ない桜を初めて見たよ。
ずっと、忘れない。
忘れられないよ。。
家についたらもっと大変だった…
家に着いて
私が玄関のカギを開けているときに事件が起きた。
車から杖をついて降りてきた夫は、玄関の前まで歩き
もう少し…というところで、膝から力が抜け
崩れ落ちるように倒れていった。
私が玄関を開けて振り向くと
いっさい手をつかず、倒れていく夫の姿。
咄嗟に受け止めようとしたけど間に合わず
「ゴン」と顔面を打ちつける鈍い音。
一瞬で恐怖に変わり、必死で夫を起こそうとしたけど
全身の力が抜けた夫は重すぎて、体の向きを変えるのがやっと。
おでこから血を流す夫を見て、誰か呼ぼうとする私に
「騒ぎが大きくなって、救急車を呼ばれたらイヤだ」と
「病院へ戻るのはイヤだ」と言う夫。
それに「ご近所さんに見られたくない」と。
ご近所さんに見られる前に、なんとか玄関の中に引っ張りこもうとするが
だらんと力の抜けた夫はビクともしない。
何度やっても動かない。
そのうち、ご近所さんたちの犬の散歩の時間帯になり
見つかるのも時間の問題。
「ここまで来て家に入れず、また病院に戻るのか…」と
しんみり呟く夫。
それを聞いて、何としても、何とかしてあげたくて…
最後の力を目一杯ふりしぼって、必死で引っ張って引っ張って。
お尻まで玄関の中に入ったら、ムリやり足を曲げて戸を閉める。
何とか間一髪
ご近所さんには見られずにすんだ(前の道から足音が聞こえてた)。
それから玄関マットを枕にして、横になっててもらい
訪問看護のHさんに連絡し、すぐ来てもらうことに。
Hさんを待っている間、他にケガしてないか見ていると夫が
「お前の方こそずっと震えっぱなしで大丈夫か。弱っこちいお前でも火事場の馬鹿力って出せるんやな。すごいな」って。
うん。
自分でも、ビックリした。
血管、切れるかと思った…笑
私にも出せるんだね、火事場の馬鹿力。
もう2度とだしたくないけど(´ω`;)
その後すぐにHさんが来てくれて
2人(Hさんと私)で夫を部屋に上げ
座イスに座らせそのまま引っ張ってベッドの部屋へ。
パッと状況を見て、瞬時に工夫して、テキパキと動くHさんの姿に
ものすごい安心感と信頼感を持った。
夫のケガも見てもらったけど、大したことはなくて良かったε-(´∀`*)ホッ
退院したけど前途多難…
今日退院したばかりだけど、もう前途多難。。
今日だけでいろんな経験をして…
どっと疲れた。。
夫も今日は疲れただろうけど
久しぶりの家とベッドにやっぱり嬉しそうにしている。
(介護ベッドやトイレはまだ届いていない)
体はしんどくても、精神的に楽なんだろうな
家の方が。
でも、まだまだこれから
今日始まったばかり。
できる限りは、頑張りたいから…
٩( ‘ω’ )و ガンバルぞ~
すべての患者さん、そのご家族が、安心して穏やかに過ごせますように(。>ㅅ<。)♡*。