夫の看取り~とうとう最期のときを迎えてしまった日のこと…

光の道

花祭りの日を命日に選んだ夫…

今日は4月8日、花祭りの日(お釈迦様の誕生日をお祝いする日)。

 

夫が信心していたお堂も、花祭りをする。

まさか、こんな縁日の日に

ひとり逝っちゃうなんて…

夢にも思わなかった。。

 

きっと、身軽になって

お堂へまっしぐら…なんだろうな。。

絶対、行ってるよね。

お堂に。。

だけど

いくらお堂に行きたかったからって

ひとりで行くなよなぁ。。

バカ夫。゚(゚*′ω⊂ グス

 

夫の大切なお堂の話↓↓

最期のとき…

その夜、夫の嘔吐は止まらず。

ほんの少量の胆汁を吐き出しながらも

比較的元気そうにお堂のこととか、花祭りのこととか

時折、笑いながら話していた。

 

夫が、ガラガラのどを鳴らすたび(痰が絡む感じ)

私は背中をトントンたたき、吐きだしやすいようにしながら

「今日はお祭りだね。○○さん行くんかな。ウチらも早う行きたいねぇ」などと話していて

夫もうなずいたり「ハハッ」と笑ったりして。

 

そして、朝の3時半を回った頃だった。

それまで話していた夫が、急に静かになり

眠ったんだなと思った私は

夫の背中をずっとさすっていた手を止め、顔を覗き込むと。

まだ起きていた夫と目が合い、夫は薄く笑顔になった。

私も笑顔で夫を見つめると

夫の目がいつもとは違うような気がして。。

 

夫の目が、何かおかしい。。

…イヤだ

恐怖に襲われながら、とっさに、鼻に手をやり…

心臓に耳を当てると

……ヤダよ!

急いで、のどの奥や口の中に嘔吐物が詰まってないか覗き込み

思いっきり息を吹き込んだり、胸を押したりしながら

必死で夫の名前を呼んでいたら

一瞬

夫の目が私を見てくれた。

 

私の知っている夫の目。

私がちゃんと写ってる。

だけど、それも一瞬で…

やだあっ。。

ありったけの知識を総動員して

必死で蘇生を試みる。

自宅で夫の看取り…

パニックになりながらも

いつのまにか訪問看護師のHさんと義弟に電話を入れたみたいで

Hさんはすぐに駆けつけてくれた。

 

ちなみに

この時の私の電話は、支離滅裂で全く意味不明だったそうで。。

 

すぐに夫の状態を確認してもらうと

Hさんはゆっくり首を横に振る。

 

それを見たら全身から力が抜け

へたり込んで、うずくまって泣きじゃくった。

それまで我慢してきた感情が一気にあふれだして

声を出してワンワン泣いた。

。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!

泣いても、泣いても

大粒の涙がぽろぽろぽろぽろ止まらなくて。

しゃくりあげすぎて、気持ち悪くなった。

頭も痺れてきてガンガンする。。

 

顔を上げると

Hさんまでもへたり込んで号泣してる。。

顔を上げた私に気付くと、泣きながらもHさんは

「夫さんの最期の顔は笑顔だったよ。たくさんの最期を看てきたけど、こんなに幸せそうな死に顔は初めて会った」

「自分が望んだ家で最愛の奥様に看取られて。こんなに幸せな最期を迎えられる人は滅多にいないよ」

「奥さんは頑張った。きっと夫さんは奥さんの体のことを気遣ってくれたんだよ」

「1人で本当によく頑張ってたから、私達皆、応援してたんだよ」

と、抱きしめてくれて…

2人で抱き合って、またワンワン泣いた。

。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。

 

泣きやんだ頃、義母と義弟が到着。

義母は夫を見ると「あんた、何しとんの」と一言。

そして一粒だけ涙を流し、座り込んた。。

最後の清拭…

訪問医は朝にならないと来られないということで。

それまでに嘔吐やおしめで汚れている夫を

キレイにしてあげたいとHさんにお願いしたら

「じゃあ、最後の清拭(お風呂に入れない患者さんの体を拭いてあげること)をしようか。パジャマもカバーもキレイにしてあげよう」と。

 

2人で、髪の毛からつま先までキレイに洗って

馴染みのパジャマに着替えて

爪も切って、髪も整えて。

さっぱりしたね、夫ちゃん。

 

こんなふうに夫に触れるのは、これが最後。。

今まで苦しくてしょうがなかった体拭きが

とても愛おしくて、悲しい。

 

夫の感触を忘れないように、アチコチいっぱい触っといた。。

ナデナデヾ(・ω・。`)

。゚(゚*′ω⊂ グス

 

もうおしめもしなくていいからね。

おしっこして、気持ち悪いから変えてくれって言ってたのに

後回しにしちゃってごめんね。

 

まさか

死んじゃうなんて思ってなかったから。。

 

濡れて不快なまま

逝かせちゃって、ごめん。

きっと、気持ち悪かったね。

冷たかったよね。

ホントごめんね。

ごめんなさい(・_・、)。。。。

 

Hさんが義母にも

「どこか拭いてあげてください」って言ってくれたけど…

義母も義弟も拒否し

座ったまま目をそむけてた。

息子(兄)の変わり果てた身体を見たくなかったのかな…

顔でもいいから、拭いてあげてほしかったな。。

…切ないよ。

…寂しいよ(  ´・ω)

 

夫の肌は

まだ生きてるときと変わらなくて。

さっきまで話してたのに。

笑ってたのに。

ただ寝てるようにしか見えないのに。

 

朝の8時半

訪問医が来て

死亡確認されました。

死んじゃった…

死んじゃった。

夫が死んじゃったよ。。

私ひとりぼっちになっちゃったぁ。。。

。゜゜(´□`。)°゜。。。

 

救急車は呼ばないって、決めてあったことだけど。

それでもあのとき

すぐに救急車を呼んでいれば

今も生きていてくれたのかな。

夫は死なずにすんだのかな。

私、大切なところで判断

まちがえたのかな。。

 

ごめんね。

私のせいで死なせちゃった。

死んじゃった。。

 

ひとりぼっちになっちゃった。。。

 

もう二度と会えない。

声も聞けない。

触れあえない。

もう抱きしめてくれないんだ。。

 

退院したら一緒にお堂に行くって

工場も家も一緒に片付けるって

車のことも教えたるから、大丈夫だって

お腹へこんだら思いっきりギュウしたるからって

…言ってたのに

最後までウソつき。

もうウソはつかないって

約束したのに。。

 

でも

病院で、ひとりのときじゃなく

夫の望み通り

夫の大好きな家で

ふたりでいるときに息を引き取ったことは

少しは救いになったのかな。。

 

だけど、なにも

花祭りの日に、逝かなくてもいいじゃない。

…夫らしいけど。

夫にとっては良かったのかな。

子供の頃からずっと

親しんできた神さんのお祭りの日(縁日)に

いっさい苦しまず

眠るように逝けて…

 

迎えに来てくれたのかな。。

不自由だった体から抜け出して

身も心も身軽になって

きっと大好きなお堂に行ってるんだろうな。

 

もう苦しまなくていいよ。

もう自由だよ。

どこでも好きなところへ行っていいんだよ。。

25年、そばにいてくれてありがとう。

守ってくれてありがとう。

たくさんの思い出をありがとう。

 

 

本当は、ネガティブ全開の本音を吐きだしたいけど

長くなりそうなので次回にしよう。

これ書いてる今もずっと、ボロボロ涙出ちゃって

半日以上泣きっぱなしだ(´ω`;)

もう大丈夫かと思ったけど

やっぱり、この日のことはダメだね。

きっと、いつまで経っても泣いちゃうね。

でも腹膜偽粘液腫という特殊な病気になった夫のことを

ちゃんと残しておきたくて

こんな人がいたよって。

それに自分のためにも

こんなに頑張ったときがあるんだぞって

忘れないように。

 

すべての人が、安心して穏やかに過ごせますように(。>ㅅ<。)♡*。

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