当たり前の日常が幸せだったんだ…
夫が死んじゃってから
テレビを見たり、音楽を聞いたり、雑誌を見たり…
今まで当たり前にしてきたことが、できなくなった。
できないというより、する気になれない。
家にいれば静寂がイヤで、テレビはつけているけど
意識を向けることはない。
好きだったもの
いつも見ていた番組
いつも聞いていた曲
本も漫画もゲームも…
な~んにも興味が持てなくなってしまった。。
ほんの数か月前まで
なんの疑問も持たずに過ごしていた
当たり前の日常が幸せだったんだと
今、痛切に思う。
当たり前の日常を失くして
どれだけ幸せな日々を過ごせていたのかに
…気付く(・_・、)。。。
つけっぱなしのテレビから
夫が好きだった番組が、ふいに流れると
ここに夫がいないことが、何だか不思議な感じがして
少し前まで一緒に見ていたのに…
テレビの中も、流れる音楽も
周りの人も、景色も、空も、匂いも…
なんにも変わっていないのに
そこに夫だけがいなくなってしまった。
なんだか、ホント不思議。
不思議としかいいようがない。
夫の最期を見届けて
骨になっちゃった夫を見て
ちっちゃな骨壷に納まった夫を抱きしめて…
ちゃんと夫の死を理解しているつもりでいても
本当は分かっていないのかもしれない。
分かっていないから
夫がいないことを不思議に感じてしまうのかもしれない。
叶わぬ願い
結婚式での誓いの言葉
…死が、ふたりを分かつまで…
私たち、ちゃんと全うしたね。
途中、離婚の危機もあったけど
何度も、ミンチにしたいほど憎々しく思ったりもしたけど
なんのかんのと、最期まで夫婦していたね(^ω^)
…死がふたりを分かつまで…
当たり前だけど、ホントはもっと
爺ちゃん、婆ちゃんになってから
もっともっと夫婦を謳歌してから
別れが来てほしかった。。
シワシワの手と手をつないで
ゆっくり散歩したり
公園で日向ぼっこしたり…
爺ちゃん、婆ちゃん生活を2人で満喫したかったよ。
仲が良くて可愛らしい年寄り夫婦になりたかった(・_・、)
もうどんなに願っても、叶わない願い。。
もうどんなに…どんなに願っても
二度と戻らない、当たり前の日常
幸せだった日常。。
何気ない毎日こそが幸せだったんだと
夫を亡くして知る愚かさ。。
もっと大切に過ごせばよかった。
もっと丁寧に過ごせばよかった。。
もう一度、初めからやり直したい。。
ありふれた日常を、もっとしっかりと
目に焼き付けておけばよかった。。
あなたのお爺ちゃん姿を見たかった。。
すべての人が、幸福に包まれますように(˘人˘)