腹膜偽粘液腫とは?
夫が診断された
腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)とは、どんな病気なのか調べてみた。
今まで、全く聞いたこともなかった病名だけど
自分で調べたことや
私達が経験してきたことなどを、書いて残しておこうと思う。
ネットなどで調べれば、誰でも分かる程度のことかもしれないが
少しでも私たちの経験が、役にたてれば嬉しい。
腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)を簡単に説明すると…
お腹の中に、ゼラチン状の粘液がたまっていく希少疾患。
腹膜偽粘液腫とは
お腹の中(腹腔内)にできる腫瘍の一種。
お腹の臓器のいずれかで(虫垂や卵巣など)ゼリー状の粘液を出す腫瘍細胞が発生し
その腫瘍細胞がどんどん粘液を出すことで、腫瘍(原発巣)が破れてしまい
お腹の中(腹腔内)に粘液と腫瘍細胞がまき散らされ(腹膜播種の状態)
ゼリー状の粘液が、たまっていく疾患。
(粘液をどんどん作り出す腫瘍がお腹の中にできて、その粘液でお腹が膨れていき、妊婦さんのような姿になる)
原因はまだわかっておらず、治療法も確立していない、完治が難しい病気。
50歳前後の女性の発症が多いと言われていますが、性別年齢関係なく発症する。
日本では100万人に1~2人くらいの割合で発症する、大変まれな疾患。
そのため、難病指定はされておらず、国のサポートや研究もされていない。
ちなみに
「ローマの休日」などで有名な「オードリーヘップバーン」の死因が、この「腹膜偽粘液腫」だったと言われている。
症状は?
虫垂(盲腸)や卵巣を原発とすることが多く(その他の原発巣もある)
お腹の中にゼリー状の粘液がいっぱいたまっていき、どんどんお腹が膨れていく。
進行具合は人によるが、ゆっくりと進むことが多く
気付かないうちに、お腹の中に粘液が充満してしまう。
そのまま放置していると、お腹がどんどん膨れるだけでなく
粘液が大きな塊となり、他の臓器に癒着したり、圧迫していく。
その後、腸閉塞などをともない、体にいく栄養分が奪われて、栄養失調になり
死に至ることもある。
治療は?
腹膜偽粘液腫は、治療が難しい疾患。
夫が診断された当時は
あまり効果が期待できないであろう化学療法や、症状を抑えるためだけの手術をするくらいしか見つからなかった。(2015年当時の情報)
でも当時、唯一
滋賀県に腹膜偽粘液腫の患者を診てくれる先生がいた。
夫は診てもらうことが叶わなかったが
今でもその先生は、たくさんの方を救っていらっしゃるそうです。(テレビでも紹介されている)
それに今では
腹膜偽粘液腫の治癒を目指した、積極的な治療をしてくれる医師と専門施設が存在する。(大阪、滋賀、福井などにある)
(こちらは2020年現在の情報)
腹腔内の2.5mm以上の腫瘍を全て取り除き
残された2.5mm以下の腫瘍を、抗がん剤によって死滅させることにより、根治が可能となる。
海外では良好な長期予後が多数報告されているそうだ。
夫の場合
夫の場合は
病院へ行ったときには、すでに粘液は大きな塊になっていて、はっきりと原因を調べることはできなかった。
あとで分かったことだが、虫垂原発だったらしい。(はっきりとは分からない)
あと、多分だけど
50代になった頃から、ゆっくり進行していったんじゃないかと思う。(診断されたのは54歳の時)
思い当たる部分が多いので。。
そして夫の場合は、何をするにも遅すぎた。
今でも思う。
もっと早く病院へ行って、体力も残っていたら、滋賀の先生に会いに行けたのかなって。
今とは違う景色を見てたのかなって。。
まぁ今さらだよね(・_・、)。。。
やっぱり何事も
早期発見が大事!だね(・ω・)b
~~追記~~火葬場にて
夫が亡くなったあとの、火葬場でのこと。
長い時間、待たされて、喪主である私だけ呼び出され
「お腹あたりに何か塊(粘液)が残ってしまって、時間がかかっています。こんなことは初めてです」
と言われ、それからも小1時間かかった。
腹膜偽粘液腫という病気は、死んで骨になっても、居座り続けようとする本当にイヤな病気だった。
どこにもそんな記述はないので、夫に限ったことかもしれないが。。
できるなら
誰にもかかってほしくない病気だと心から思う。。