夫が入院するまでの話~1番辛くて苦しかった数ヶ月の記録

くもり空

夫が入院するまでの話

腹膜偽粘液腫との関連性は分からないが

4年前から

それまでには無かった、体の不調を訴えるようになった夫のことを書いている。

 

腹膜偽粘液腫という病気は、まだよく分かっておらず

人によっては何年もかけて、じわじわと粘液が腹膜に溜まっていくので、気が付くのが遅れる場合もあるそうだ。

 

そんな病気だとは夢にも思っていなかったが、どんどん弱っていく夫を見ているのが怖くて…

不安で…狂いそうになっていった、夫の入院間近の日々の記録。

 

前回までの話↓↓

 

前回の続き。

 

昨年の10月頃になると

日に日に少食になり、見た目にも分かるほど痩せてきた。

たまに食欲が出て食べられても、その後、嘔吐したり下痢したり…

 

それでも工房に行くのはやめず

相変わらず、歩きにも行っていた。

運動して、体力つけて、食欲も出して…

何としても、自力で回復させたかったみたい。

 

明らかに痩せてきているのに、お腹だけが異様に出てきて

横になるのがつらくなり(腹膜偽粘液腫の特徴)ベッドでは眠れなくなっていた。

(お腹の重みで同じ姿勢でいると痛くなるため)

 

この頃から、毎日のように言い合いをするようになり(私が一方的に怒鳴っているだけ)

夫の姿を見るたび苦しくて、怖くて…

 

どれだけ訴えても、病院へ行こうとしない夫に、気が狂いそうだった。。

 

夫の「俺にはお堂の神さんがついとるで、大丈夫なんや」の言葉に逆上して

「じゃあ何で神さんついとんのに、そんなんなっとんの!」と言う私の言葉にも

「これは試練なんや。何があっても神さん信じて疑わな、大丈夫なんや」って。。

 

…その言葉を聞いて

私の中で何かがプツっと切れてしまい

咄嗟にカバン引っ張り出して、荷物適当に詰め込んで飛び出していた。

ずっと引きこもり生活だったから、行くところなんてないけど

とにかくここから逃げなくちゃって。。

 

これ以上ここにいたら怖いことになる

私じゃムリ

もうイヤだって。。

頭がパンパンになっていた。

 

お堂の神さんの話↓↓

 

ちなみに、ウチは田舎だから

最寄りの駅まで徒歩30~40分くらいかかるし、電車も25年くらい乗ってないから、乗り方も忘れちゃってるけど

もうそんなの気にしてられない状態だった。

そのときは。

 

でも真っ暗の中、歩きながら

弱ってる病人にケンカ売って、家飛び出して、病人見捨てて

「私、最悪じゃん。人間のクズじゃん」って思って…

でもどうしていいのか分からなくて。

 

結局、夫が必死で追いかけてきて、懇願されて説得されて

行くところもない私は、納得できないまま戻った。

 

今でも思うが

あの時、本気で離婚していたら、どうなっていたのかな。

もっと、楽に暮らせるようになってたのかな。

でも、きっと、後悔しまくって、その後の人生は笑えなくなってただろうなぁ。

こんな風にブログ書こうなんて思わなかっただろうね。

入院へのカウントダウンが始まった頃

その年の年末頃には

調子がいい時は消化の良い物を少しだけ食べたり、介護用の栄養補助ドリンクを飲んだりして

何とかまだ日常を過ごせていた。

 

大みそかになって、夫が突然「ケンタッキー食べたい」と言い出して(2人とも大好き)

実際に食べられるかは分からないけれど、この年の大みそかのご馳走はケンタッキーに決めて(^ω^*)

1口でも食べられたらいいと思っていたが、予想に反して1ピース完食し

「メッチャうまい!」と喜んでいた夫の顔が、印象に残っている。

 

年が明けてからは、ますます食べられない日が多くなった。

 

それでも相変わらず夫は、病院へは行く気が無く(私がどれだけ言っても聞く耳もたず)

漢方薬を飲んだり、民間療法を試したり。。

漢方薬を飲むと一時食欲が出て、食事量が少しアップしていた。

 

少しでも食べてくれるとホッとして…

嘔吐すれば落胆して…

 

1月の下旬ごろになると、足が浮腫みだした。

この頃はまだ、病気だとは思ってなかったので(思いたくなかった)

漢方薬のせいか、靴下の締め付けのせいで浮腫んだのかと、本気で言っていた…

 

2月になると、下痢をして下着を汚すことが増え

相変わらず、お腹のハリ、腰痛、むくみが続き

 

10日頃には、いつものように歩きに行くも、まともに歩くこともできなくなっていた。

この頃には太ももまで浮腫み、特に左側がひどく浮腫んでいた。

 

15日頃には、横になっていることが多くなり、浮腫みも怖いくらい浮腫んで

息切れもするように…

 

この頃にはもう、ほとんど食べられなくなっていて

もう不安で、恐怖で…

私の方が先に参ってしまいそうだった。

 

20日、夫が絶対触らせなかった腕を無理やり掴むと

 

信じられないくらい細くて…

 

ビックリして袖をめくると、骨と皮だけになった夫の腕が。。

 

いつからか、私に肌を見せなくなって

いつもダボッとした格好をして、私が触れるのを嫌がるようになった理由が…

 

やっと分かった。。

 

夫が痩せてきているのは分かっていたけど。

元々骨格がしっかりしている人だったので、顔だけ見れば…

「痩せたね」と言われる程度にしか見えなくて。

だから周りも、そんなに病的には感じていなかった。。

 

だけど私は…

私だけは、気付かないといけなかったのに…

何で毎日一緒にいて、気付けなかったんだろう。。

今もずっと、ずっと後悔している。

 

この頃の記憶が1番、苦しい。。

 

夫の服をめくって

妊婦のように膨れたお腹と

骨と皮だけになった体を見たら…

震えが止まらなくなって。。

ただ、ただ、恐怖で、号泣していた。

 

それからはずっと

「病院へ行こう!頼むから病院へ行って!」とずっと叫んでいた。

 

そして23日

やっと観念して病院へ行き(それでも3日もかかった…)

 

この日から夫の入院生活が始まった。

 

腹膜偽粘液腫とは?↓↓

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