腹水の検査のため穿刺(せんし)します~引きこもり主婦の奮闘も少し

寂しそうな犬

結婚以来24年ぶり、1人で過ごした夜

しかも、初めての夫の外泊が入院…

その夜はずっと、不安と恐怖と訳の分からない興奮で、胸がドキドキしてほとんど眠れず…

病気のことを調べたり、入院の準備をしたり、1人で泣いたり苛立ったり…

 

翌朝、数十年ぶりの1人での外出に、情けないほど体が震えて。。

でも意を決して大荷物持って、駅までの約30分

ひとりでテクテク歩いていたら、いつも車で通り過ぎる景色とは違って見えて…

なんだか少し、気持ちが落ち着いてきた。

 

20年近く住んでいるのに、歩いてゆっくり見ることのなかった景色。

もっと早く気付いて、夫と並んで歩けば良かった(・_・、)。。。

夫とこの景色を見ながら歩きたいな~って、思いながら歩いていると

結構、あっという間に駅についた。

 

せっかく落ち着いてきた気持ちが、またドキドキ…バクバク…

なんせ電車に乗るの、数十年ぶり。。

車の免許取りに行った日以来じゃないかな。。

 

…気分は浦島太郎状態( oωo )

 

ドキドキしながら、大きなカバンと荷物を持って

キョロキョロ…オドオド…

不審者か超田舎から出てきた人みたい…

ここも田舎だけど。。

そして気が付くと、目が悪くなりすぎて上の値段表が見えない…

駅が書いてある字が見えない…

 

再び、意を決して

駅員さんに事情(見えない、乗り方分からない)を話し、教えてもらった。

そのときの駅員さんがとても親切で、丁寧に教えてくれて

すっごく恥ずかしかったけど、駅員さんの対応にホッとしたε-(´∀`*)ホッ

こういう時って人の優しさが身に沁みる。。

…だけど、これで電車はもう大丈夫!

ちゃんと覚えた。。

 

この年になっても出来ることが増えると、ちょっと嬉しいr(^ω^*)))

 

でも、家を出てから1時間半近くかかって、やっと病室に着いたときには…

もう疲れ果てていた。

ホント、情けない…(-ω-;)

腹水の検査のため穿刺(せんし)します

この日は、腹水の原因を診断するために、穿刺(せんし)して検査をする予定だった。

 

ちなみに穿刺(せんし)とは…

お腹に針を刺して、腹水を採取する処置のこと。

 

検査は朝のうちに行われ、私が着く頃には終わっていた。

その説明を聞くために、私だけ診察室に向かうと「残念ながら腹水を抜くことは出来なかった」と言われた。

腹水がドロドロ過ぎて(もうすでに固まっていて)穿刺では抜けない状態だったと。。

 

少しでも穿刺で腹水が抜けたら

ちょっとはお腹が楽になるかも…と期待してたんだけど。。

それさえもできないのか…

そっかぁ…

 

しょうがないよね。

夫が病院を拒んできた結果なんだから(・_・、)。。。

病室は…

夫の病室は6人部屋で、窓側のベッドだった。

夫が寝ているベッドからは、空しか見えないけど

目の前はお寺で、窓の下にはお墓がズラ~っと並んでいる∑(=゚ω゚=;)

しかも

夫の父親が眠っているお墓もしっかり見える。

私的には、非常に複雑な心境なんだけど

夫は父親に守られてるみたいで心強いらしい。。

 

 

不思議なもので

昨日まで自分で車を運転して、自力で歩いていたのに

入院したとたん

立つことも、歩くことも出来なくなってしまった。

もう力が入らないそうで

介助がないと起き上がることも、寝がえりをうつことも出来ない。

 

たった一晩で、こんなんなっちゃうんだ。

 

病院に来て安心したのか、張り詰めていたものが切れたのか…

夫を見ていると、精神的な力って大きいんだなって思う。

 

当然トイレにも行けなくなっていたので

ベッドの脇にポータブルトイレが置かれ、おしっこは尿瓶(しびん)で。

ただカーテンで仕切られているだけの相部屋なので

ウンチする時の臭いが気になる…ということで、強力な消臭剤やおしりふきを買いに行ったり。

初めての入院で、この日は必要なものが出るたび

病院内のコンビニやドラッグストアに行ったり来たりと、バタバタだった。

一日が終わって

初めてのことだらけで

おまけに長く引きこもっていたせいもあって、戸惑うことも多く

…ものすごく疲れた。

 

何より堪えたのは

今日、腹水の検査で穿刺して、少しでも腹水が抜かれ、夫のお腹が楽になればと思っていた。

お腹が楽になって

栄養のあるものを食べられるようになれば、何とかなるんじゃないかって。

 

それこそ夫がずっと言い続けている、神さんがついているんだから、栄養さえ取れれば…って

何の根拠もないけど思っていた。(夫に洗脳されたかな)

だけどその期待は裏切られ

希望の兆しも見えない状態で、精神的にも身体的にも本当に堪えた。

 

でも夫の入院生活は始まったばかり。

この日から毎日、朝から面会終了時間まで、夫の付き添いをすることになった。

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