悲しみを隠す
夫が死んでしまってから、当たり前だけど
ものすっごく寂しい。
朝から寂しくて
ひとりでいたくないと思う反面
人と会いたくない
関わりたくないとも思ってしまう。
昔から、人付き合いが苦手な方だった。
苦手なんだけど、人当たりはいいらしくて
案外、誰とでも話すことはできる。
でも気を使いすぎるのと、緊張しいだから
人一倍、疲れてしまう。
夫を亡くしてからは
より周りに、気を使ってしまって
疲れ果てる。
事情を知っている人であっても
やっぱり笑顔を作らないといけないから。
私は、夫以外の人に、不機嫌な顔や
落ち込んだ顔を見せることができない。
たとえ友人や家族であっても。
夫を亡くしたばかりのときも
笑顔の仮面を貼り付けて
悲しみを隠すようにしていた。
仮面の下は真っ暗闇で、ずっと泣いていたけど
表面は、笑顔を貼り付けて…
そうしないと
周りが困ったような顔をするから。
接しづらそうな、扱いづらそうな様子が
わかるから。
私も、自分が不幸だからって
周りの人の笑顔まで消したい訳じゃない。
楽しい時間を、邪魔したい訳じゃない。
だから、悲しみを隠すために
笑顔の仮面をつける。
私が大丈夫なフリをすればいいだけ。
…でも、ときどき思う。
夫を亡くして
こんなに苦しい思いをしているのに
なんで…
この世で、1番大切な人を失って
身を切り裂かれるような
こんなにつらい思いをしているのに
なんで私は…
なんで、悲しみを隠して
元気なフリをしてるんだ…って。
でも、きっと仕方ない。
この年で、伴侶を亡くすというのは
あまりないことらしいから。。
周りは皆、当たり前に旦那さんがいる。
奥さんがいる。
伴侶を亡くしているのは、もっと年を重ねた方たちで。
どう接していいか、わかんないんだよね。
所詮は、他人事だから。
いつ自分の身に起こるか分かんないのに…
私も自分がこうなるまで、気付かなかったしね。
今は、まだ
悲しみを隠すために笑顔の仮面をかぶって
人と付き合うことしかできない。
だから、せっかく友人が誘ってくれても
断ることの方が多い。
友人と会えば、気も紛れるし
楽しいと感じるときもある。
だけど、それ以上に疲れてしまうし
悲しみが増してしまう。
旦那さんのもとに帰る友人が羨ましくて…
余計に寂しさが募る。
だから、やっぱり会いたくない。
こんな感情、イヤだな。。
願わくば
悲しみを隠すための笑顔じゃなく
自然と笑顔になれる日が
1日も早くやってきますように。
本来の笑顔を取り戻せる日が、やってきますように。。