ペーパードライバー歴25年の私がいきなり運転!?

車のハンドルを持つ手

病院への道のり

この日の朝は、まだ何も知らずに。

いつも通り

自分のお昼のおにぎりとコーヒーが入ったポットや夫の着替えなどをリュックに入れて

30分くらいかけ、エッチらオッチら駅まで歩き、病院へ向かっていた。

 

病院への道のりを、大きな荷物背負って歩くのはしんどいけれど

今の季節は、いろんな花が咲きだして。。

梅や桜やタンポポを見ながら「春だな~」と

けっこうそれなりに楽しんでいる(^ω^)

 

今朝、気が付いたんだけど

病院の近くで、なぜか1本だけ満開になっている桜があって

それがめちゃめちゃキレイなの。

桜

外に出られない夫に見せてあげようと、写真を撮っていたら…

強烈に寂しさや悲しみがこみ上げてきて。

ダメだな。

すぐ泣いちゃう。。

…年のせい?(´ω`;)

夫の状態

昨日は2回も、車椅子で院内散歩へ行く元気があったのに

今日はぐったりしている。

熱もあって、しんどそう。

 

疲れちゃったのかな。

 

毎日、夫の姿を見ては不安になったり

少し気が楽になったり。。

 

あいも変わらず、お腹も足もパンパンに腫れて。。

 

 

こんな状態だけれど

私たちは在宅療養する方向で話を進めている。

 

病院側へは、私1人での介護はムリだから

義弟も手伝うということにして(そう言わないと許可が下りない)。

でも夫の家族は、いっさい手伝ってはくれない(反対もしない)。

 

すべて私1人でする。

 

正直

寝返りひとつ、自力でできない夫を家に帰していいものか…

私の体力はもつのか…

数分ごとに気持ちが揺れ動くけれど…

 

確かなのは

今ここにいても、何の進展もなければ、希望もない。

 

夫はひどく帰りたがっている。

もし、夫の未来が尽きようとしているなら

夫の望むようにしてあげたい。

 

私も、夜

夫と離れている時間に電話が鳴るのが怖くて…

眠れないでいる。

一緒にいても、離れていても

眠れないのは一緒だから…

それなら

できるところまで頑張ってみようかなって…思うんだ。

 

私、へなちょこで泣き虫で、すぐガタブル震えるクセに

変なとこ、頑固で意地っ張りだから。

めんどくさい、おばちゃんだね(´ω`;)

車がやってきた

夕方、義弟の友人(整備士さん)がやってきて

挨拶もそこそこに、いきなり

「病院の駐車場に納車しといたから」と

車のカギを手渡された。。

 

「は?」(・・?)と固まっていると

「一緒に行って車の説明聞いてくるやわ」と夫。

 

整備士さんの話によれば

私が乗れそうな軽自動車の中古車を、大至急用意してほしいと

夫が義弟に頼んでいたらしい。

それで、義弟が整備士をしている友人に話をしたと。。

 

一応

ペーパードライバー歴25年の私でも、少しは運転しやすいように

「背の高い車にしといたで」と笑顔で言われても。。

 

…私、25年も運転してないんだよ?

( oωo )…マジで?

 

一通り説明を聞いたけど

そもそも、この駐車場から出られるのか?

料金所に車を寄せられるのか?

家の周り、車1台分の狭い道しかないのに

対向車きたらどうすんの?

というより…

「前もって言うといてや~!何でいつも黙ってすんねん!」

ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

もうブチ切れそう。

頭に血が上って…倒れそう。

ペーパードライバー歴25年がいきなり運転

ひとり病室に戻り、夫に文句を言うだけ言って

「しばらく駐車場で車と格闘してから帰るわ」と

その日は早めに病室を出た。

 

これからのことを思えば

私が乗れる車は、絶対必要になる。

夫の車があるけど

今の私には大きすぎて、運転できない。

それに収入のない今

夫の車は処分して、軽だけにした方がいい。

夫は正しい。

…でも、前もって言っておいてよぉ。

いきなりはキツイよぉ。

それに夜だよ。

暗いよ。

見にくいよ。。

 

カギを渡されたときから、震えが止まらなくて

胸が苦しくて、息苦しくて

大丈夫か…私。

ペーパードライバー歴25年の私が

いきなり1人で

しかも夜に…

なんの心構えもなく、運転するなんて。

誰か、助けて。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!

 

 

遠い記憶を引っ張り出すように

アクセルやブレーキ、ウインカーやら一通り触って確認して。

サイドミラーを合わすところで

何に合わせるんやったけ?…

 

もう不安しかない。。

「今日は車、置いて帰ろうかな…」と思ったりもしたけど

義弟やその友人が、私のために急いで動いてくれたんだから

「それをムダにしたらダメだよね」

 

…うん。

行け!私٩(๑`^´๑)۶

女は度胸だ!

 

おそるおそるアクセル踏んで

動きだしただけでドキドキ、バクバク…(まだ行けない…笑)

でも他の車もいるし、不審に思われそうだから

意を決して料金所へ。

思ってた通り、寄せられない。

メッチャ遠くて届かない。。

誰もいないけど、メチャクチャ恥ずかしい。。

 

どうにか道に出て走り出したけど

自分がどこを走っているのか分からない。

ちゃんと車線の中を走っているのか

絶えずサイドミラーで確認しないと不安でしょうがない。

狭い道で運悪く、人が歩いていたりして

家に着くまでもう必死過ぎて…

道中の記憶がほとんどない。

 

家についてから、腰が抜けたようにへたり込んでしまって

そのまましばし突っ伏してた。

夫からの電話で我にかえり

さすがに夫も心配して、何度も電話をしていたらしい。

後で見たら、着信履歴がすごかった(笑)

 

 

…今日は本当に疲れた。

でも何事もなく、無事に帰ってこれて良かった。

 

元気だった頃の、当たり前の日常の中で

助手席に夫を乗せて、25年ぶりに私が運転して…

そんな状況だったなら

きっとケンカしながらも、楽しい出来事になっただろうな。。

 

ダメだ。。

暗くなりそうだから、もうやめよう。

とにかく疲れたよ~

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